ぶーちゃん報告
先日、石巻市子どもセンター「らいつ」さんと、我々にじいろクレヨンの共催で、
石巻市内外の子ども支援関係者を対象に「子どもの権利条約」について学ぶための研修会を開催いたしました。
そもそも子どもの権利条約とは・・・・
「1989年11月の国連総会で採択され定められました。
この条約は、世界中の人びとが10年かけて話し合い、地球上のすべての子どもが自分らしく健康に生きることができるようにとの願いを込めてつくられました。
現在、世界中で193の国と地域がこの条約を守ることを約束しています。」
※詳しくお知りになりたい方はこちらのウェブサイトをご覧下さい。
http://www.unicef.or.jp/crc/
我々が子ども支援を行ううえで、「子どもの権利」について正しく理解し、その理念を現場に活かしていきたい!という思いから本企画が生まれました。
当日は石巻内外から40名以上の子ども支援に関わる方々がご参加くださいました。
午前中の早稲田大学喜多明人先生の講義では、「子どもの権利条約」の歴史や、「子どもの権利条約」を活かした町づくりのお話、
現代社会における子どもたちの問題などについて学びました。
その中でも特に印象的だったのは、「子どもの自己肯定感」についてのお話です。
世界中で、子どもの自己肯定感=自分を好きかどうかについての調査を行ったところ、
アメリカでは80パーセント以上、アジアの他国でも60パーセント以上の子どもたちが自分自身を好きだと答えたのに対し、
日本では「自分を好きだ」と答えた子どもは40パーセント程度にとどまったそうです。
さらに、日本人の親に対して「自分の子どもは、自分自身を好きだと思っているかどうか」という質問を行ったところ、
8割以上の親が、自分の子どもは自分自身を好きと思っているという結果が出ているとのこと。
子の心、親知らず・・・とでも言いましょうか。
子どもが不安や自信を失った状態でいることに、気づかない親御さんがたくさんいらっしゃるということでしょう。
何か事件が起きた後に「うちの子にかぎって」という台詞が出てくるのも無理はないと感じました。
また喜多先生の講義の後は、石巻市子育て支援課の門間さんが、「石巻市子どもの権利に関する条例」についてお話してくださいました。
石巻市は平成21年3月に宮城県でいち早く、「石巻市子どもの権利に関する条例」を制定しています。
(実際に石巻市子どもセンター「らいつ」の開設には子どもたちの意見を積極的に取り入れています)
残念なことに、まだまだ条例の認知度は低いそうです。
ランチをはさんで、午後はグループワークを行いました。
ファシリテーターの西村真由美さんの進行で、
講義の中の印象に残ったこと、今日学んだことをどう生かすか、などのテーマでグループごとに話し合いました。
「石巻」×「子ども」という共通ワードでたくさんの大人が真剣に学び、意見を共有しあったことで
石巻の未来は、少し明るくなったような気がします。
ご参加いただいたみなさま、ならびに運営にご協力いただいた、石巻市子育て支援課さま、石巻市子どもセンター「らいつ」さま、TEDICさま、こども∞感パニーさま、ベビースマイルさま、
本当にありがとうございました。
そして、にじいろスタッフのみんな、お疲れさまでした。
国連の条約、市の条例も、私たち大人が実践しないと有名無実になってしまうのですね。
情報としては両方知っていましたが、実生活において気にかけているかと言えば、正直、時折思い出すほどでお恥ずかしい限りです。
日本は文化的な側面もあって、大人でも自己肯定感が低いようですが、親子間で実態との差が歴然としているのはなかなか難しい問題ですね。
子どもが様々な場面で親を含む大人達に、気を使っている現実が多くあるような気がします。
多くの現場を経験した皆様方の討論が、子ども達との触れ合いにフィードバックされ未来につながっていくのですね。
ご報告ありがとうございます。