働くことについて


先日、NHKの人が来て取材を受けました。
「避難所の火災について」ということで門脇小学校へ行き、
震災当日のことを聞かれるままにお話しました。
当時のことをしゃべって思い返していたら、
いろいろと考させられることがたくさん出てきました。
今回は、そのことを書きたいと思います。

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震災の日のその時の状況と、今の避難所の状況と、似てるなあと思いました。

命のつかいみち」にも書いてあるけども、津波から逃げたとき、
がれきの中から助けを求める人々を救助しました。
火災の中からも、助けを求める人々を救助しました。
消防団だからやったわけじゃなくて、
人として当たり前のことをやっただけです。
目の前の人を助けなきゃと思ってやりました。
周りにいた動けるたくさんの人も、手伝ってくれました。
だけどその近くで、携帯で火事の模様を撮るばかりの人もいました。
日和山の上に住んでいらっしゃる方でも、手伝ってくださった人はたくさんいましたが、
最後まで傍観者だった人もたくさんいました。
言われなくても手伝えよっ!動けよっ!って思いましたが、結局口には出しませんでした。

そこには、何かしらの温度差があったんです。

別の地区で津波で被災した同級生が言っていました。
自分一人だったらなんぼでも逃げられる、でも子供がいたら無理、と。
私もそう思いました。
逃げ遅れて救助を求めていた人は、こどもやじいさんばあさんでした。
私はその時、当たり前にやりました。動ける人がやるしかない。
火の手が迫ってる家に取り残された人々を、崖の下から救助をするときも。
近くの大人たちも動いてくれて、どこからかロープをもってきて繋いで、
うんと長くして、木に繋いで、人にも繋いで。
誰だか知らない人たちで協力して、崖を下りました。
一人じゃ絶対無理でした。
無力でした。
だけど、その辺のおじさんたちと協力して、ひとりひとり救助できました。
休む暇なんかなかったです。
どこからか持ってきたリアカーに救助したお年寄りを乗せて、
近くの幼稚園に運んで休ませて。
近くにいた人みんな手伝ってくれました。それは当たり前の状況でした。

後日、みんなからたくさん誉めていただいたけど、当たり前のことをしただけです。
それが、あの状況では「働くこと」だったんです。
お金とか関係なくて、みんな働いて、やるべきことをやっていたわけです。
それが震災の時の話。

あの日のような緊急時は抜けましたが、
今、避難所に残っている人たち、また仮設に入った人たちの多くも、
崖の下や火の手から助けを求めている人と大きな違いはありません。
こども、お年寄り。自分だけでは、生きていけない人たちが多いのです。

困っている人は、たくさんいる。
なら、大人は「働いて」、助けなきゃいけない。
日本全国の大人たちは、もっと働けよ。
そういうことを、強く思いました。

当たり前じゃん、人を助けるのは。
日本のどこかで困ってる人がいるんだから、みんな一生懸命やろうぜ!って思う。
いっぱい稼いで税金払うでも、義援金に遣うでも、なんでも良いと思う。
津波のあとの火災を見て、写真を撮ることしかできずに温度差のあった人も、
「あのとき、なんぼでもやることあったんじゃないか」って感じているんだったら、
いまからでも働こう。

そしてこれって、今の日本全国でもいえること。

気づいてないのなら、しゃーない。
でも、気づいてたらやれよ。

それを気づかせるために、私ができることは……。
こうやって、伝えていくことかなあって思いました。

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働くことについて への4件のフィードバック

  1. ドイマリ のコメント:

    地震のあったあの日、石巻から800㎞離れた京都でも長時間揺れました。
    阪神淡路を経験してたので大きな被害が出るだろうことは予想できましたが、帰宅してニュースを見るまで正直あの光景は全く想像できてませんでした。
    自分があの場にいたら正しい判断ができたのか…、
    立ち尽くす方に避難するよう声をかけたり『当たり前』の行動がとれたか…、
    少なくともこの先はそういう判断、行動をとれるような生き方をしなくちゃ…
    いろんなことを考えさせられました。
    なかなか一人で思い続けるのは難しいですが、みなさんの活動報告から自分を見つめ直すきっかけをいただいて、出来ることに精一杯取り組みます!
    まずは今日の仕事から。

  2. みか のコメント:

    わたしは海外にいる日本人がもっと頑張れると思います。
    頑張ってる人はたくさんいますが、余震のストレスやその他たくさんの心配がない分余裕があるんだから、もっとたくさんの人がいろんなことできるんじゃないかと…。
    勝手にこの場を借りてしまいますが、海外在住日の本人の方、がんばりましょう!

  3. あきぽんAKIPON のコメント:

    最近のテレビではどうしても原発関連が多く、津波被災地の方は少なくなってるように思います。 また復興の明るいニュースが多く取り上げられていて、まだ大変な暮らしをされている方のことが少し忘れられてきているように感じています。  陸前高田の方で学校の先生をされてるつくしさんのブログではごく最近やっと水道が通ったということでした。 この震災が起きてから河北新報を見ていますが、やっぱり地元紙だけあって今もよく報道してると思います。全国紙ではこうはなっていません。
    どうぞこれからもいろいろ発信していってください。 
    私は働いていないので大きなことは出来ませんが、自分なりに被災地にこころを寄せて僅かですが支援をしていきたいと思っています。 

  4. RAI のコメント:

    夜景の美しかった私の街は真っ暗になり
    電車も本数が減ったままです。
    一般の会社は夏休みが増え、平日休み変更したり…と
    関東でも震災の影響は未だ色濃く感じます。
    交通網が麻痺し国から節電を要求され工場や企業に制限がかかり
    一時はどうなるかと思った関東ですが
    大規模停電の危機を乗り切り
    節電にも慣れ
    制限の中、創意工夫をし
    皆一生懸命日本の経済を支えています。
    それがこちらからできることの一つだと思っています。
    こちらも頑張っていますよ~☆

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